顎変形症は,成長の過程で,あるいは外傷によって,上あごと下あごのバランスがずれて,顔や口もとの不調和とかみあわせの不正が起こっている状態をいいます.前歯でかめないとか,言葉が聞き取りにくいといったことのほかに,見た目が違っていて気になるなどの問題があるとされています.
成長期には,歯科矯正治療で改善される見込みがありますが,高校生以降では,あごの手術と歯科矯正治療を組み合わせる治療の可能性が高くなります.あごのずれ方によって,うけくち、出っ歯、非対称などさまざまな状態があります。
治療では,上あごと下あごのずれを判断し,手術と歯の移動についてどうするのが良いかを考えます.矯正治療は,どの矯正歯科(保険適用は指定医療機関に限ります)でも受けられます.
次に,手術に備えて矯正歯科で歯を移動します.手術までの期間は通常6~12か月です.
手術治療では,結果の良いことはもちろんですが,短期間で問題なく治療を終えることが大切と考え,工夫を重ねてきました.その結果,食事は手術の翌日からとることができ(写真),約1週で退院することができるようになりました.入院中から退院後1か月ほどリハビリテーションを行った後,1~2年かけて矯正歯科でかみあわせを調整します.
外科矯正の一例です

◎良い咬みあわせ(機能)だけでなく、顔貌(整容)も改善しました。歯の矯正は連携矯正歯科医院で行いました。
「顎変形症」の外科矯正に関しては、治療や手術の前に、入念な検査を行います。レントゲン、頭部X線規格写真(セファログラム)などの客観的なデータをもとに、骨の各基準点を計測します。正常骨格と比較・分析します。これにより、「歯」そのものを動かす歯科矯正のみで解決するのか、「歯」の土台となっている「あご」の骨格を動かす矯正手術を行うのかが、判断され、本人をはじめ関係者(ご家族など)にわかりやすく丁寧に治療方針をお伝えします。
